あなたが現在お使いの銀行に口座を開設した際、
自宅や勤務先の近くの銀行に印鑑を持って行いき、
口座開設をしたっきり、という方も多いのではないでしょうか?
昨今「保険の見直し」はよく目にしますが、
「銀行の見直し」はまだ少ない印象。
筆者は、実際に生活費口座をメガバンクからネット銀行に変更して、
メリットが大きいと感じたので、
実体験を交え「銀行見直し」のメリットとデメリットを解説致します。
急成長するネット銀行、デジタル銀行
ネット専業のSBI住信ネット銀行(以下、同行愛称NEOBANKと記述)や楽天銀行が、
近々株式を上場する準備を進めています。
さらに海外では、もっと劇的な変化が起こりつつあります。
たとえば、ブラジルでは、
顧客数とアプリダウンロード数で「世界最大」の
”デジタル銀行”と言われるNubank(ヌーバンク/現地語読みで”ヌバンキ)が、
2022年に米ナスダック市場への上場を計画中、
と報道されています(同行はノーコメント)。
もし実現すれば、ブラジル国内の最大手メガバンクを超え、
デジタル銀行が国内最大資金量を誇る金融機関となる見込みです。
ここで、銀行の種類について定義します。
「ネット銀行」とは、スマホアプリも提供する、
Web(インターネット)完結型金融機関のことです。
日本では、NEOBANK、楽天銀行、ソニー銀行などが
この分類に入ります。
「デジタル銀行」は、以下「スマホ銀行」と言い換えますが、
PCのWebサービスすら用意せず、キャッシュカードもQRコードで済ませ、
徹底的にスマホ最適化した銀行のことです。
日本では「みんなの銀行」が、このカテゴリーになります。
webバンキングも用意されていますが、
auじぶん銀行やBANK(あおぞら銀行)も、
スマホ銀行に近い営業形態です。
Webサービスもスマホアプリも用意し、
実店舗取引も継続している従来型銀行を、
ここではひと括りに「普通銀行」、とします。
個人が取引銀行を見直してみるべき理由
なぜ、個人が取引銀行を見直してみる必要があるのでしょうか?
理由は2つあります。
- 新しいサービスを享受できる
- 不必要な、あるいは過大な支出を見直すことができる
新しいサービスを享受できる
市街地に店舗・ATMを持たない新銀行は、
普通銀行より有利な金利を設定します。
(金利が普通銀行の200倍、というネット銀行も存在します)
それ以外に、新銀行との取引で個人が受けられるメリットには
下記が挙げられます。
- ポイントサービス
- 住宅ローンなど借入金の優遇
- ATM利用料・他行宛振込が一定回数無料
- 一本の口座開設で、資金仕訳用に複数の子口座を開設可能
- 提携証券会社とのブリッジ機能で、少額投資が可能
現在40歳以上の方が、自分の口座を持ちはじめた頃は、
どこの銀行でも、サービス内容がほぼ横並びだったのではないでしょうか?
ところが、その後、次々と新銀行ができました。
先にあげた銀行の場合、創業年(カッコ内)は、
NEOBANK(2007)、楽天銀行(2000)、ソニー銀行(2001)、
みんなの銀行(2019)、auじぶん銀行(2008)、BANK※あおぞら銀行(2009)です。
それ以前に口座を開いたきりになっている方は、
新銀行の利便性が高いサービスを知らない、ということになります。
1年前に筆者は、生活費口座をメガバンクから楽天銀行に切り替えました。
デビットカード機能を持つキャッシュカードで生活費を決済した所、
普通預金の金利とは別に、楽天ポイントが決済金額の1%付与されたのです。
※ポイント付与条件は将来的に改定される可能性があります。
10年前に見向きもしなかった共通ポイント(楽天、T、Ponta、d)が、
提携証券会社を通じて、少額株式(投信)投資の原資として使え、
最終的には現金に戻すことができるようになったというわけ。
普通預金金利がゼロに近い中、
筆者は1年間生活費の支払方法を変えただけで、
約25,000ポイント(25,000円相当)を得ました。
銀行取引で、TポイントやPontaポイントなどが獲得できる銀行もありますから、
ぜひ自分に合うポイントサービスを利用してみてはいかがでしょうか?
不必要な、あるいは過大な支出を見直すことができる
とはいえ、じつは生活費口座を変えることは大変なことです。
とくに口座開設から何十年も経っていれば、
何十件もの口座引落としが紐づいているでしょう。
その全てを取引停止、もしくは口座変更としなければならないのです。
ただ、この面倒くさい手続きが、実は不要、過大な出費を見直す
よい機会になります。
筆者は、子供に貸していた中古スマホ(処分済)に挿した格安データSIMの
解約を失念し、2年も余分な支払を続けていたことに気づきました。
必要な支払であっても、ライフスタイルの変化に伴って、
過大になっていないかどうかを見直す、絶好のタイミングとなるのです。
新銀行に口座を開く時に注意すべき点
では、新銀行への口座開設は、良いことだらけなのでしょうか?
もちろん、そんなことはありません。
おもな注意点として、下記が挙げられます。
- 預金額などに応じて顧客ランクが細かく分かれており、低ランクでは受けられないサービスがある。
- ほとんどの普通銀行では、平日昼間の出金手数料は回数無制限無料なのに、新銀行の場合、出金回数に制限があったり、出金に手数料のかかる場合がある。
更に注意すべき点として、単に口座の問題だけではなく、
他サービスとの兼ね合いも意識しなければなりません。
一例として、auじぶん銀行が提供する住宅ローンでは、
携帯+でんきセット申込で、適用金利が0.1%引き下げられます。
大口ローンや借換えでは、お得になりそうに思えますが、
ネット上では「au携帯が”35年縛り”(携帯を解約すると住宅ローン金利が上がる)
をはじめた」と揶揄(やゆ)されました。
「銀行の見直し」からはじめる家計改善
普段忙しくしていると、銀行取引について考えることは少ないかもしれません。
しかし、保険や生活費のダウンサイジングをお考えなら、
「銀行の見直し」も有力な手段。
ただ、いきなり全資産をスマホ一本に託してしまうことへ懸念があれば、
サブ口座として利便性を確かめながら、
徐々に新銀行をメインにしていくこともあり得るでしょう。
とはいえ、各行のサービス提供内容はまちまちなので、
自分にとってのメリットやデメリットを把握することが大切。
まず、「銀行なんて、どこも一緒」という思い込みは捨て、
ライフスタイルと照らし合わせ、自分にとって有利な金融機関を、
ぜひ探し出してみてください。
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