万が一に備えて整理したい「デジタル資産」| トラブルや整理方法

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さより

フリーライター。 ブログ歴14年。 女性向けWebサイトを中心に、健康や美容、恋愛などの記事を執筆。 現在はライフスタイル、FXなど幅広いジャンルを執筆中。 好奇心旺盛で多趣味。 プライベートでエッセイと4コマ漫画連載中、夫とゲームアプリ開発中。


デジタル資産とは、パソコンやスマホなどで管理している資産を指します。

普段、デジタル資産を管理しているのは本人のみです。

本人が亡くなるとIDやパスワードが分からず、遺族が戸惑ってしまうケースもあります。

 

今回はデジタル資産の管理者が亡くなった後に起こりやすいトラブル、

生前にできるデジタル資産の整理方法などを紹介します。

 

デジタル資産とは?

デジタル資産とは、インターネット上で管理を行う資産のことです。

デジタル資産は多岐にわたります。

パソコンやスマホ、タブレットなどで管理している、次のような資産を指します。

  • 銀行などのオンライン口座
  • 電子マネー
  • 「〇〇ペイ」などのスマホ決済サービス
  • 株式
  • FX
  • 暗号資産(仮想通貨)
  • SNSやゲームのアカウント
  • 写真や動画、イラストなどのコンテンツ

 

ネットショッピングや「〇〇ペイ」、サブスクなど、

デジタル資産を利用する機会は増えています。

 

デジタル資産で注意したいトラブル

年々増加傾向にある、デジタル資産。

スマホで決済できるなど、とても便利です。

 

しかし、デジタル資産を放置したまま死去すると、

思わぬトラブルを招く可能性があります。

以下のトラブルに注意しましょう。

 

連絡先を確認できない

友人や知人などの連絡先は、スマホで管理している方が大半でしょう。

スマホの持ち主が亡くなってロックを解除できない場合、

連絡先を確認できません。

お通夜や葬儀に呼びたい方の連絡先が分からず、

遺族が苦労してしまいます。

 

故人しか親戚や友人、職場の方の連絡先を知らないケースもあり、

注意が必要です。

 

料金を払い続ける

有料サイトを利用したまま亡くなると、料金を払い続ける可能性があります。

 

特に注意したいのは次の契約料金です。

  • 動画配信サービス:Netflix、Huluなど
  • 音楽配信サービス:Spotify、Apple Musicなど
  • 有料会員制サービス:Amazonプライムなど
  • 月額課金制のゲーム
  • ウイルス対策ソフト

 

近年、定額制のサービス「サブスク」が増えています。

サブスクは自動的に契約が更新されるため、

契約者が亡くなっても料金の支払いが継続するでしょう。

 

サービスによっては遺族に請求書が届く可能性もあり、

注意しなければなりません。

 

相続や借金

以下のデジタル資産を相続すると、相続税がかかります。

  • 株式
  • FX
  • 暗号資産(仮想通貨)
  • スマホ決済サービス

 

本人以外がこういったデジタル資産を知らないままだと、

遺族が大金を相続できないかもしれません。

 

FXの「レバレッジ取引」と呼ばれる取引は、

損失分を遺族が借金する恐れも。

デジタル資産は相続だけではなく、借金にも要注意です。

 

不正アクセス

LINEやTwitter、InstagramなどのSNSを利用中の方は多いでしょう。

SNSはコミュニケーションを気軽に楽しめる一方、

不正アクセスの問題もあります。

 

亡くなった後にSNSを放置すると、

不正アクセスでアカウントを乗っ取られ、

  • なりすまして勝手に投稿される
  • 不正購入や不正送金
  • アカウントを犯罪に利用される

 

こういった問題が生じる恐れもあります。

 

デジタル資産の整理方法

デジタル資産を放置し、遺族に迷惑をかけてしまうケースは

少なくありません。

生前にデジタル資産を整理しましょう。

 

紙でIDやパスワードを管理

デジタル資産を本人以外が把握するのは困難です。

生前に

  • 利用中のサービス
  • IDやパスワード

を紙でまとめましょう。

 

たとえば、故人が暗号資産(仮想通貨)を保有していると分かった場合、

遺族は仮想通貨取引所に問い合わせ、相続手続きをしなければなりません。

 

「パスワードは不明だが、暗号資産を所有しているのは分かる」

というケースも相続税がかかる可能性があります。

 

いつ何が起こるのか誰にも分かりません。

認知症や突然の病で、本人がアカウントを把握できない場合も

あるでしょう。

元気なうちに、IDやパスワードを紙に書き出しましょう。

 

書き出したノートやメモは、死後に家族だけが気づく場所で

保管してください。

 

不要なサービスの解約

家族が今どんなサービスを利用しているのか、

すべて把握していない方もいるでしょう。

契約者が亡くなった後、契約中のサービスが停止するとは限りません。

遺族が料金を負担する可能性もあります。

 

アカウントを紙に書き出す際、不要なサービスが見つかれば

解約しましょう。

 

デジタル資産の整理を機に、今契約しているサービスが

はたして必要なのか見直すこともおすすめします。

 

死後のアカウント設定

死後のアカウントをどうするのか、

生前に設定できるSNSも登場しています。

 

たとえば、Facebookの「追悼アカウント設定」では

  • 管理人を誰か指名し、追悼アカウントの管理を任せる
  • アカウントを完全に削除

のどちらかを選べます。

 

また、Appleは2021年6月に「デジタル遺産プログラム」を発表。

Apple製品の利用者が亡くなった際、

「iCloud」に保存された画像や書類などを

家族や友人に引き継ぐサービスです。

 

お使いのサービスで死後のアカウント設定が可能であれば、

今のうちに設定を済ませましょう。

 

デジタル資産管理のおすすめツール

デジタル資産の管理におすすめのツールを3つ紹介します。

 

パスワード管理ノート

パスワード管理ノートは名前のとおり、

パスワード管理に特化しています。

サイト名、IDやパスワードなどの欄があり、

デジタル資産の整理に便利なノートです。

 

さまざまなメーカーから発売され、100円ショップでも購入できます。

 

ただし、保管にはくれぐれも注意してください。

鍵付きの引き出し、金庫などでノートを保管しましょう。

 

パスワードマネージャー

パスワードマネージャーでは起動時に使う

マスターパスワードだけを覚えれば、

複数のパスワードを簡単に管理できます。

 

一般的なパスワードマネージャーは、オンラインで利用する

「クラウド型」です。

中には、ファミリープランを用意しているものもあります。

 

遺族がデジタル資産を管理しやすいように、

マスターパスワードを紙に書いておくのも有効でしょう。

 

パスワード管理ノートと同様、マスターパスワードも

厳重に管理してください。

 

編みノート

編みノートとは、デジタルのエンディングノートです。

遺品整理や不用品回収などを請け負う企業「マレリーク」が

監修しています。

 

エンディングノートとは人生を振り返り、

家族や友人へ伝えたいことや自分の希望を書くノートです。

 

編みノートは無料のアプリで、次の設定を行えます。

  • 連絡先:住所や電話番号などを書き出せる
  • 遺影:使ってほしい画像を登録できる
  • 遺品:受け取ってほしいもの、処分してほしいなどを記載

 

死後見られたくないデジタル資産がある方は、

ファイルの自動削除の設定も可能です。

 

※編みノート:https://www.digital-ihin.com/casestudy/post-2996/

 

まとめ

デジタル資産が増えている、現代。

遺族の負担を減らすために、

亡くなった後のデジタル資産について考えることも大切です。

 

デジタル資産を放置したままだと、

借金や不正アクセスなどの思わぬトラブルが起こる場合もあるでしょう。

事故や急な病など、いつ何が起こるのか分かりません。

元気なうちにデジタル資産の整理を始めましょう。

 

<参考文献>
「デジタル資産」の相続が大問題!存在を知らない、アクセスできない、対処法は?(FPwoman)

デジタル資産とは具体的にどんなもの?相続でトラブルにならないためには?(ファイナンシャルフィールド)

【デジタル遺品とは】生前に整理してトラブルを回避しよう(クリアン)

デジタル遺品を整理するには?生前にできるトラブル防止策も(遺品整理プログレス)

ネトフリやSpotifyなど「サブスク」は契約者の死後、どうやって解約できる?(相続会議)

仮想通貨などの「デジタル遺産」は相続税の対象?海外の事例をご紹介!(相続税理士相談Cafe)

不正アクセスとは?被害事例、被害有無のチェック方法と有効な対策(Norton)

私が死んだ場合、Facebookアカウントはどうなりますか。(Facebook)

Apple、「デジタル遺産」継承しやすく iCloudに新機能(日本経済新聞)

 

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