「捨てられない…」に効く|ミニマリズムのはじめかた

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ネモ・ロバーツ

写真家&ライター&日常系ミニマリスト。 広告制作・編集と撮影の仕事を経て渡英。ロンドンをベースにアーティスト活動を行う。 『レス・イズ・モア 夢見るミニマリストでいこう。』『ロンドンでしたい100のこと』(共著)を出版。 ロンドンを拠点に展覧会もやっています。


「断捨離を始めたけどうまくいかない」

「ミニマリストになりたいけど、何から始めたらいいかわからない」

そのまま放置し続けて自己嫌悪…そんな経験はありませんか。

 

今回は「捨てたいと思っているのになぜか行動できない」

その理由と対処法についてご紹介します。

 

実は断捨離やミニマリズムのプロセスは、

決断力を磨き自分のメンタルと向き合う絶好の機会。

やる気を邪魔している根本的な原因に気付くこともできるので、

片付けだけでなく自己改革までできてしまうかもしれませんよ。

 

最初の一歩が踏み出せない3つの理由

どこから手を付けていいか分からない…

と頭がフリーズ状態になってしまう理由は、大きく分けると3つあります。

 

理由その1:すごく大変だと思っている

1つめは、ミニマリズムや断捨離が

とてつもなく困難で長い道のりだと思い込み、

圧倒されているパターンです。

 

これはメディアで一流ミニマリストの完璧すぎる部屋の写真を見たり

「一気に片付ける」「何もない部屋を作る」といった先入観にとらわれ、

理想と現実のギャップが大き過ぎて

モチベーションが下がってしまっていることがおもな原因です。

 

理由その2:時間がない

2つめの「時間がない」は、

そもそもゆっくり片付けをする時間なんてない、

あっても疲れていて片付けする気分になれないと感じて

諦めているパターン。

 

「時間がない」という理由は「お金がない」「自信がない」と共に、

何かしらの行動ができない時の世界三大言い訳とされています。

そのぐらい、多くの人が抱えている普遍的な悩みなんですね。

 

理由その3:捨てる基準がわならない

そして3つめ「捨てる基準が分からない」。

取捨選択は気力をかなり使うハードな仕事です。

「使う・使わない」でサクサク進むといいのですが、

現実には「もったいない」「これは高かったから」

「頂き物だから」「いつか使うかも」と、

あれこれ考え込んでいるうちに心が疲れきってしまい、

挫折してしまうことも多いのです。

 

以下ではこの3つのフリーズ状態の解決策について挙げていきます。

 

始められない…の解決策はコレ

  • すごく大変だと思っている→まず完璧主義を捨てる
  • 時間がない→先延ばし癖を解消し、断捨離のメリットを知る
  • 捨てる基準が分からない→ゼロベース思考で解決

 

完璧主義をまず捨てる

片付けに手が出せないという方は

「きちんと・一気に・全部」やろうと思うあまり、

自分でハードルを上げている場合があります。

もちろんそうなれば劇的な変化が得られることは確かですが、

そこにこだわるあまり結局動けないままではもったいないですね。

 

また、人がなかなか行動できないのには本能的な理由もあります。

生物学の用語で「ホメオスタシス(恒常性維持機能)」と呼ばれますが、

身の安全を確保するため、人間も含めて全ての動物は急激な変化を嫌います。

片付けでいえば、すっきり片付いたベストバージョンの部屋より、

慣れ親しんだ散らかった部屋の方がいい(=安全)と感じ、

意識下で本人のやる気を邪魔しているということです。

 

こんな時はまずは本能を手なずけつつ

小さく始めてみるのがオススメです。

食卓やデスクの上、引き出し1つだけ…

となるべく小さなタスクから始めてみてください。

そこにあるものを元の位置に戻したり不要品を処分したら、

ステップ1は達成。

 

1カ所でも片付くと気分が良くなり、

次回へのモチベーションも湧いてきます。

一気にできなくてもいい、完璧にやらなくていい、

できることを一歩ずつ。そんなのんびり精神でいきましょう。

 

「時間がない」のは気のせいかも

仕事にプライベートに忙しいはずなのに、

時間を上手に作って余裕ある生活をしている人がいます。

もしかしたら自分はどうでもいい作業に時間をとられていたり、

スマホに時間を使いすぎていたりてはいないか、振り返ってみましょう。

 

例えばたった5分の片付けに全く時間が割けないなら、

生活そのものを見直してみる必要がありそうです。

ほとんどの場合、スキマ時間の存在に気がついていないか、

非効率な時間の使い方をしているだけだったりします。

 

先延ばし癖を自覚している人は、自分を動かす工夫も必要です。

スマホのタイマーを5分セットして、デスクでもTV周りでも、

一つのエリアの片付けに取り組んでみてください。

5分経ったらいったん手を止めます。


人間は完了したことより中途半端に終わった事柄について

記憶が残りやすくなります。

ツァイガルニク効果と呼ばれる現象ですが、

これを利用することで「ここまでやったし、もうちょっとだからやっておくか」

となるはず。

 

起業家フランチェスコ・シリオ氏が考案した

「ポモドーロ・テクニック」もおすすめです。

タイマーをセットし「25分集中+5分休憩」を繰り返す

生産性アップのテクニックで、片付けを加速させてみてください。

 

ちなみに家が片付くと

  • 探し物をする時間が減る
  • そうじが圧倒的に楽になる

 

といったメリットがあります。

時間がないと嘆いていた人も、

片付けによって時間を作り出すことができるんです。

(参考文献:フランチェスコ・シリロ著「どんな仕事も「25分+5分」で結果が出る ポモドーロ・テクニック入門」)

 

ゼロベース思考でスッパリ決断

冒頭でも触れましたが、人はモノに対して様々な思い入れを抱いてしまい、

どんどん手放せなくなります。

「好きなものだけ残す」「ときめくものだけを残す」と言われても、

アイテムによってはピンとこないものもありますね。

 

ここでは決断を鈍らせる感情をいったん置き、

ビジネスの問題解決に有効な「ゼロベース思考」を応用します。

これは今までの知識や思い込みをいったんゼロにして、

基礎がない状態から物事を考える方法です。

 

下の問いに、イエスかノーかで答えてみましょう。

「これがなくなったら、もう一度同じようなものを買い直すか?」

 

自分がものを捨てた後、同じものを買い直すかどうか考えれば、

それが自分にとって本当に大切な物かどうかが分かります。

お金では買えないプライスレスなものについても判断がつきます。

スマホ等の必需品や自分の宝物など大事な物はすぐ分かりますね。

そして明らかにいらない物も簡単に捨てられます。

 

ミニマリズムや断捨離では、その間にある

「どちらともいえないもの、大切でもないしゴミでもない」

そんな中間アイテムをいかに潔く処分できるかに成功がかかっています。

 

これ買い直すかな…と迷うモノは、実はその程度であるということ。

これでモノへの執着が薄れて、迷いはぐっと減るはずです。

 

メンタルを鍛えてくれるミニマリズム

「始められない・捨てられない悩み」の解決法についてご紹介しました。

片付けメソッドや収納術よりも、自分のメンタルを知り

マインドセットを整えていくことの方が成功の近道かもしれません。

 

片付けでできた「時間・お金・心の余裕」

というリソースを大切なものや夢につぎ込めるようになると、

快適な生活が維持できるだけでなく人生も大きく変わります。

メンタルトレーニングも兼ねて、

今度こそミニマリストの第一歩を踏みだしてみてはいかがでしょうか。

 

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※「モノが増える一方」「モノを捨てると後で困るかも」とお悩みの方は、知らない間に欠乏マインド状態に陥っているのかもしれません。こちらも併せてご覧になってください。

ミニマリズムと言われても|豊かさを実現する余白のつくりかた

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