だれもが生まれつき持っている“免疫力”を高める7つの方法

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ジャガーちゃん

シニアのネイチャー系ライターです。 追いかけているテーマ:地球は大丈夫? この世のことと未来のこと オリンピック・エピソード など多数 仕事歴:もと広告マン イベント屋さんでした。


ストレスの多い現代人の体は免疫力が低下しているといわれています。

素人である筆者が家族の健康のために調べた答えは、

だれもが生まれついて持っている“免疫力”を、“常に高めて”

「病原体の侵入に備えておく」ことでした。

免疫力を高める7つの方法をご紹介します。

 

そもそも免疫とはなに?

そもそも免疫とはどのようなものでしょうか?

免疫とはウイルスや細菌などの病原体から体を守る「防御システム」のことです。

免疫には「自然免疫」と「獲得免疫」の2種類があります。

 

自然免疫とは、生まれつき体に備わっている腸内細菌や

白血球の中にある免疫細胞のことで、

体内に入ってきた異物に対して初期攻撃を開始します。

自然免疫の手に負えない異物や病原体が侵入してきたときは、

「新しい病原体が入ってきたぞ!」と周りに警告を発し、これを聞いて動き出すのが

獲得免疫。

 

「自然免疫」と「獲得免疫」二つの免疫システムがうまく働いて初めて病原体を

やっつけます。

 

ウイルスの正体と人体に侵入してくる目的

ウイルスとは自力で増殖ができない小さな粒子状の物質です。

生物と無生物の間にいる存在とも呼ばれています。

ウイルスは人間の体に入り込んで、自分の遺伝子DNAやRNAを人の細胞の中に注入。

細胞はウイルスのDNAを自分の一部だと勘違いして、ウイルスのコピーを

作り出すのです。

 

新型コロナウイルスの遺伝子はもっとも賢いといわれるRNAタイプ。

RNAは細胞に入ると、すぐに宿主細胞のタンパク質合成システムを

最大限に利用して、自らのコピーの大量増殖にとりかかるのです。

できあがった新しいウイルス粒子は細胞を破って放出され、

それぞれがまた新しい細胞に遺伝子を注入して、増殖を繰り返します。

 

ウイルスは自力では増えられないので、

人間の細胞の力で増殖するために侵入してくるのです。

 

抗体とは病原体と戦ってできあがる免疫反応

新しい病原体と戦うためには、抗体が必要といわれています。

それでは、抗体はどうすれば手に入るのでしょうか?

抗体は生まれつき体に備わっている能力・自然免疫ではなくて

後天的に獲得される免疫反応・獲得免疫です。

 

新しい病原体と戦ったリンパ球は「メモリーB細胞」という抗体に進化します。

この抗体がウイルスなど異物の中にある抗原に結合して、

異物を体内から除外してくれます。

抗体はその後も相手を記憶して体の中で長期間生き続け、

再び相手が侵入してくるといち早く見つけ出して結合、そして体外へ排除する。

 

この抗体を人の体内に人為的に作り出すのがワクチン「予防接種」です。

予防接種を受ければ体内に抗体ができて、

ウイルスと戦った経験が無くても、ウイルスをやっつけることができるのです。

 

新型コロナウイルスとの戦いは「初期攻撃」が重要

琉球大学名誉教授医学博士・佐藤良也先生の話によれば

新型コロナウイルスとの戦いには「初期攻撃」が重要とされています。

まず、新型コロナの“新型”の意味は、私たちの免疫がこのウイルスに対する抗体を

まだ持っていない新しいタイプだということ。

そこで、もし感染してしまったら、自然免疫が働いている間に、

このウイルスに反応する抗体を急いで作らなければなりません。

自然免疫の力では手におえない敵が現れた時が、獲得免疫の出番でした。

 

しかし、抗体ができあがるまでには数日が必要です。

その間は自然免疫が頑張ってくれないといけません。

佐藤博士の見解は、ウイルス感染細胞の数がまだ少ないうちに、

素早く押さえ込むよう自然免疫が働く「First Attack」

初期攻撃が感染制御という点で大変重要だと強調。

 

また、自然免疫というのは生まれながらの生理的機能なので、

「自然免疫力を低下させないような生活スタイルを心がけることが肝要だ」

と私たちに警告しています。

 

あなたは大丈夫? 現代人の体は病原体への防御力が低下している

昨今、社会には免疫力低下のリスクがたくさん溢れています。

  • ストレスフルな社会構造
  • プレッシャーと不安を抱える会社人や受験生
  • 慢性的運動不足
  • 高齢化

そのうえ、コロナ流行による巣ごもり状態!

免疫機能は本来、体を若々しく健康に保つ活力ですが、

私たちは、免疫力低下のリスクに晒されながら毎日を暮らしています。

新型コロナの第2波、第3波に備えて、免疫力を高めるいい知恵は

ないものでしょうか?

 

免疫力を高める7つの方法

「免疫力を高める方法」について、世界と日本の知恵を調べてみました。

世界の知恵としては、ハーバード大学の医学大学院

(ハーバード・メディカル・スクール)のレポート

「免疫システムを強化する方法」をベースに、

日本の知恵としては研究機関や医薬品メーカーの研究発表を参考にして、

「免疫力を高める7つの方法」をまとめました。

 

1.定期的な運動をする

免疫力を高める1つ目の方法は「定期的な運動をする」こと。

散歩やストレッチなどの軽い運動の習慣を身につけることが大事。

運動は体温を上昇させ、自律神経のバランスをよくし、

病原体と戦うリンパ球の増加を促します。

 

また、ウォーキングやスクワットのような一定のリズムを刻む運動によって、

幸せホルモン・セロトニンが分泌され、ストレスを解消し、質の良い睡眠にも繋がります。

免疫力を高めるには、定期的に軽い運動をする習慣を身につけましょう。

 

2.バランスのいい食べ物

2つ目の方法は「バランスのいい食べ物」。

1日3食、バランスをよく考えて質のいい食べ物をとりましょう。

バランスのいい食べ物とは、次の3つの要素です。

  • 主食は米もしくはパン
  • 主菜は肉や魚、卵、大豆製品などを使い良質なタンパク質をとる
  • 副菜は野菜や果物などを使いビタミンやミネラルをとる

とくに、朝食は体温を上げ、基礎代謝量を上げる効果があり、

免疫力を高めることにつながるので、必ず食べるようにしましょう。

 

不足しがちな栄養を補給するためにはサプリをとることも必要です。

ただし、ハーバード・メディカル・スクールのレポートによれば

サプリの取り過ぎは免疫力に有益ではないとしていますので、要注意です。

 

腸内環境を整えるおすすめの食べ物

腸は免疫力の7割をつかさどる最大の免疫器官。

腸内環境を整えるためには、乳酸菌を含んだ発酵食品や

オリゴ糖をとることがおすすめです。

発酵食品は腸の粘膜面で活躍する免疫物質「IgA抗体」の分泌を促します。

オリゴ糖はビフィズス菌などの腸内の善玉菌を増やして、免疫力を高めてくれます。

タマネギ、ゴボウ、アスパラガス、バナナなどに含まれています。

 

3.健康的な体重を維持する

3つ目の方法は「健康的な体重を維持する」こと。

体重を定期的に量って自分の健康状態をチェックしましょう。

食べ物から摂取したエネルギーと運動により消費したエネルギーが

バランスよく保たれていることが健康のためによいのです。

 

適切な体重を維持することは生活習慣病の予防になり、免疫力を高めることに

つながります。

とくに、急激な体重の増減に気をつけましょう。

 

4.十分な睡眠をとる

4つ目の方法は「十分な睡眠をとる」こと。

十分な睡眠は疲労を回復し、自律神経のリズムを整えます。

また、質のよい睡眠はリンパ球を増やして免疫力を高め、細胞の成長や修復を

図ってくれます。

 

よく眠れない人の体内時計は狂っていることが多いです。

寝る時間と起きる時間を一定にして体内時計を調整しましょう。

寝付きをよくするために、入浴したり、

寝る前にパソコンやスマホの光を避けましょう。

 

起床時にはカーテンを開けて、朝の太陽光を取り込み、

大きな背伸びやストレッチをしましょう。

免疫力を高めるために、質のいい睡眠と爽快に目覚める習慣を身につけましょう。

 

5.ストレスを最小限に抑える

5つ目の方法は「ストレスを最小限に抑える」こと。

適度なストレスは生きていくために必要ですが、

過大なストレスは免疫力を低下させます。

ストレスを解消する方法は人それぞれですが・・・

  • 趣味を楽しむ。
  • ペットと遊ぶ。
  • 仲のいい友達とお喋りする。
  • 仕事の手を抜いて早く帰る。

責任感が強過ぎてストレスをため込む傾向のある方は特に4つ目がおすすめ。

ストレスを抑えるためにリラックスできる時間を意識して作りましょう。

 

6.よく笑うこと

6つ目の方法は「よく笑う」こと。

よく笑う習慣は、免疫力を高めてくれます。

ある実験で、10人の男女を対象に、お笑い映像と、教訓的なビデオを見せたとき、

唾液に含まれる自然免疫IgAの濃度が、笑えるビデオのときに目に見えて

上昇したと記録されています。

 

自然に出る笑いではなく、作り笑いをしたときにも同じ効果があると

言われています。

鏡に向かって、口元を緩めてほほえみを作る練習をしましょう。

コミュニケーションを図る最強の武器にもなりますよ。

 

7.体を温める

最後は「体を温める」こと。

低体温の人は免疫細胞の活動が低下しています。

 

お腹や腰が冷えているリンパ球減少症の男女6人(28~70才)に、

眠っているときや日中に湯たんぽで体を温めたら、

免疫をあげるリンパ球が大幅に増加したという結果が報告されています。

お風呂や湯たんぽ、運動で軽く汗をかいて、体を温めることが

免疫力を高めることにつながります。

 

ハーバード・メデイカル・スクールのレポートは

免疫力を高めるためには「たばこを吸わない」ことと

「お酒は適量に」の二つを前提としてあげています。

 

とくに喫煙は、肺で発生した酵素が新型コロナウイルスの侵入を助けてしまう、

と欧州呼吸学会や日本呼吸器学会が報告しています。

 

まとめ

免疫力を高めるための7つの方法をご紹介しました。

新型コロナとの戦いはこれからも長く続きそうです。

免疫力を高める習慣を身につけて、ウイルスの侵入に備えましょう。

自分の体は自分でしっかり守ってあげましょうね。

 

<参考文献>

「生物と無生物の間」(分子生物学者 福岡伸一 著 講談社現代新書)

 

<参考サイト>

「メモリーB細胞が再感染から速やかに体を守る仕組みを解明」(理化学研究所)
https://www.riken.jp/press/2013/20130712_1/

「世界各地に感染が広がる新型コロナウイルス(COVID-19)について、医学博士佐藤良也先生にお話を伺いました」
https://jrj-shop.jp/brand/covid-19?utm_source=yahoo&utm_medium=cpc&utm_campaign=search&yclid=

「免疫システムを強化する方法」(Harvard Medical Schoolハーバード大学医学大学院)
https://www.health.harvard.edu/staying-healthy/how-to-boost-your-immune-system

「免疫力を高める方法」大塚製薬・乳酸菌研究所
https://www.otsuka.co.jp/b240/mechanism/raise1.html


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