ダイエットを成功させるには、運動が欠かせません。
しかし、運動する習慣がない人や運動が苦手な人にとって、
運動を継続するのは大変難しいことです。
「運動する時間がない」
「ダイエットがなかなか長続きしない」
という人は少なくないでしょう。
そんな人におすすめしたいのが、片付けダイエット。
片付けは物を運んだり、収納場所を掃除したりと、
体を動かす時間が多くあります。
片付けをダイエットの時間にあてれば、
部屋も体もすっきりとキレイになり、一石二鳥です。
片付けダイエットのやり方や長続きさせる方法、便利グッズなどを紹介します。
片付けダイエットのメリット
片付けダイエットは部屋がキレイになるだけではなく、
次のようなメリットがあります。
自然にカロリーを消費できる
片付け中は自然と体が動き、カロリーを消費します。
40代男性の平均体重は約70kg、40代女性の平均体重は約56kgです。
片付けを30分行った際の消費カロリーを計算しました。
- 男性：110kcal
- 女性：88kcal
これは30分のウォーキングとほぼ同じ消費カロリー。
歩くスピードや環境などで異なりますが、30分ウォーキングすれば約2km進みます。
片付けは家にいながら、ウォーキングに匹敵する運動ができるのです。
特別な準備は必要なく、気楽にダイエットしたい人にもおすすめします。
ダイエットが成功しやすい
「太り過ぎの人は物を捨てられない傾向がある」との結果が。
部屋に物を溜め込むと、脂肪を溜め込んでしまう傾向があるそう。
オーストラリアのニューサウスウェールズ大学とアメリカのコーネル大学が、
環境と食生活に関する共同研究を行いました。
散らかったキッチンと清潔なキッチンを用意し、100人の学生をいずれかに案内。
さらに、
- 日常生活でストレスを感じたこと
- 精神状態が穏やかなときのこと ・最後の授業の感想
のいずれかをランダムで決め、学生は決められた内容について書きました。
あわせて「クッキーやクラッカーなどを自由に食べてよい」と勧め、
どの学生が用意されたものをもっとも食べたのか調査。
もっとも食べたのはストレスを感じたことを書き、
散らかったキッチンにいた学生でした。
この結果から、ストレスを抱え、散らかった環境にいる人は間食しやすい
と考えられています。
また、大阪大学大学院の日比谷教授によれば、
散らかった状態を見るとストレスを感じ、
ストレスホルモン「コルチゾール」が分泌されやすくなるそう。
コルチゾールは食欲増進や脂肪蓄積など、ダイエットの敵ともいえる効果があります。
片付けをすればストレスを感じにくく、太りにくい環境になり、
ダイエットが成功しやすくなります。
片付けダイエットのやり方
ダイエットのために片付けする際、ぜひ次の方法で進めてみてください。
片付けたい場所を決める
まずは片付けたい場所を決めます。
場所は1ヶ所に留め、その場所の片付けだけに集中することが大切です。
決めた場所を片付け終えるまでは、他の場所の片付けに手を出すのは控えましょう。
決めた場所にある物をすべて出す
片付けたい場所にある物を、一気にすべて出しましょう。
「これ懐かしいなあ」などと考えてしまうと、なかなか片付けが進みません。
何も考えず、一気に出してください。
確実に「いらない」と思う物は袋やゴミ箱に入れ、処分しましょう。
クローゼットや机、棚などに収納している物を移動すると、
自然に体が動き、カロリー消費につながります。
掃除する
物を出し終わったら、空になった引き出しや壁、床などを掃除しましょう。
ダイエットとして片付ける場合、以下のように体を大きく動かすのがポイントです。
- 腕を大きく動かし、雑巾がけをする
- 掃除機をかけるときはアキレス腱を伸ばしながら行う
掃除機本体を持ってかけると負荷がかかり、消費カロリーがさらにアップします。
ダイエットを成功させるために、テキパキと掃除するように意識しましょう。
出した物を分類する
掃除が終わったら、出した物を「必要」「不要」「保留」の3つに分類します。
物を出す際と同様に、深く考えずサッと決めることが大切です。
どこに分類するのか、3秒を目安に決めましょう。
必要な物は収納し、不要な物はなるべく処分してください。
「保留」と決めた物は箱や袋などに入れ、時間をおいて再度チェックしましょう。
1ヶ月や3ヶ月など一定期間おき、期間中に使わなかった物は不要と判断し、
処分します。
分類の作業は収納場所に物を運んだり、ゴミ袋を持ったりと、
体に負荷がかかるはずです。
片付けダイエットを長続きさせる方法
ダイエットで重要なのは継続です。
少しでも長く片付けダイエットが継続するように、
長続きさせる方法を4つお伝えします。
写真を撮る
「片付けもダイエットも長続きしない…」
そんな人におすすめの方法が、片付けの前と後に写真を撮ること。
ダイエット中に鏡を見て「痩せてる！」と分かれば、
モチベーションが上がり、やる気がアップする人もいるでしょう。
片付けも同じように、「キレイになった」と変化が分かれば
継続しやすくなります。
少しずつ片付ける
ダイエットとして片付けを活用するのであれば、少しずつ片付けましょう。
仕事や家事で忙しい人は
- 引き出しを1段片付ける
- 洗面所の棚を片付ける
このように、ごく一部の片付けから始めてみてください。
一気に片付けようとしても長続きしませんし、
そう簡単には痩せません。
まずは継続することを意識し、片付けをする習慣がついたら
徐々に範囲を広げましょう。
片付けが苦手な人は「10分だけ片付ける」と時間を決めるのがおすすめです。
10分以内に片付けが終わるように、テキパキと進めましょう。
もし時間内に終わらなくても構いません。
片付けを継続させることが重要です。
音楽やラジオを流す
片付け中、好きな音楽やラジオを流すのもおすすめです。
東京大学の池谷裕二教授によれば、音楽を聴いて良い曲だと感じたとき、
「脳内報酬系」と呼ばれる脳の部位が活動するそう。
やる気のもと「ドーパミン」を分泌し、ワクワクした感情が生まれ
つらい片付けも楽に進めやすくなります。
アップテンポな曲は気分が上がり、ダイエットにおすすめです。
10分片付けると決めたら、2〜3曲選びましょう。
聴きたいラジオ番組を決め、ラジオが始まったら片付けダイエットを始めるのも
効果的です。
時間が決まっているので、習慣化しやすいですよ。
ご褒美を決める
片付けが終わった後のご褒美を決め、
ダイエットのやる気をアップさせましょう。
ご褒美のポイントは、片付けと組み合わせること。
- キレイに片付けたテーブルでコーヒーを飲む
- 靴箱を片付けたら、買い物に出かける
このように、片付けとご褒美を組み合わせれば、
モチベーションが上がりやすいでしょう。
ご褒美を頭に浮かべながら、片付けが終わるまではしっかりと体を動かしましょう。
片付けの便利グッズやサービス
片付けダイエットにおすすめの、便利グッズやサービスを紹介します。
折りたたみコンテナボックス
片付けダイエットではまず、決めた場所にある物を全部出します。
そのときに便利なのが、折りたたみコンテナボックスです。
折りたためるので、片付けしない間は場所をとらずに収納できます。
持ち手付きで大きめのサイズが使いやすく、おすすめです。
出した物をすべてコンテナボックスに入れておくと、
急な来客時にもサッと移動できて便利ですよ。
便利なアプリ
消費カロリーを自動計算してくれるアプリは、
片付けダイエットを手助けしてくれます。
たとえば「カロリーノート」は食事の摂取カロリー、運動や家事の消費カロリーが
簡単に分かるアプリです。
「部屋の片付け」「掃除機をかける」など細かく作業内容が分かれ、
選択すると消費カロリーを自動で計算します。
グラフで体重の推移が分かるので、変化を実感できるでしょう。
また、ダイエットアプリ「あすけん」では
日常生活の消費カロリーを記録できます。
「部屋の掃除」「荷物を運ぶ」などの記録を残すことができ、
食事や栄養素の管理も可能です。
10万件以上のデータから食事を検索し、摂取カロリーを調べることもできます。
管理栄養士がアドバイスするのも特長です。
「カロリーノート」はiPhoneのみ、「あすけん」はiPhoneでもAndroidでも
利用できます。
古着回収サービス
クローゼットを片付けて、不要な衣類がたくさんある人には
古着回収サービスがおすすめです。
H&Mの「衣類回収プログラム」は他のブランドでも、
どんな状態の衣類でも回収してくれます。
靴下片方だけであっても、古いシーツでも構いません。
1袋につき、500円オフのクーポンをもらえるので、
片付けダイエットのご褒美に買い物するのも良いでしょう。
まとめ
片付けはウォーキング並みにカロリーを消費する、
手軽なダイエットです。
部屋が散らかっているとストレスを感じ、食欲増進につながります。
片付けて部屋がキレイになれば、太りにくい環境を作れます。
ダイエットは継続が大切。
5分でも10分でも良いので、まずは片付けする習慣を身につけて
少しずつ続けてみましょう。
<参考文献>
国民健康・栄養調査（e-Stat）
家事の消費カロリー計算（カシオ）
散らかったキッチン+ストレス=間食の原因？ダイエットのコツは環境と心のコントロールにあり！（lifehacker）
散らかっていると太る？医師が伝授する「太らないためのワザ」（女性自身）
部屋片付けるとやせる！空間心理カウンセラーが指南（NIKKEI STYLE）
片付けがダイエットに結びつく理由（オコマリ）
片付けを制する者はダイエットも制す!?やせるための考え方（MONEY PLUS）
音楽は運動に効果的？「脳科学からみる運動と音楽の関係」（アシックス）
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