最近家庭やカップル間で両者の関係がいまいちしっくりしない、
相手の言うことが一々癇に障る、気分が優れない、とお悩みの方に朗報!
みんながハッピーになる故田辺聖子氏的、「そやな」の法則をご紹介いたします。
<田辺聖子>
小説家、源氏物語の現代大阪語訳、エッセイ・評伝多数
これらの功績により、芥川賞はじめ数々の文学賞
1995年紫綬褒章、2008年文化勲章
2019年6月6日死去
「そやな」がなぜ円満に繋がるのか
田辺氏の数々のインタビューから紐解いていく。
「夫婦円満に至る究極の言葉はただ一つ、『そやな』である。夫からでも妻からでもよい。これで世の中は按配よく回る」
随想集『人生はだましだまし』
氏によると、お互いに言いたいことはあってもあえて呑み込み、「そやな」と言うことで全てが収まるという。
魔法の言葉「そやな」は実はそれだけで相手を理解し、許容する意味を伴う。
他の人を理解するのは難しい。まして夫婦ともなると甘えで、
理不尽なことや理解できないことも平気で言うこともある。
しかし理解できなくとも理解しようとする心が相手の気持ちを動かし和らげる
(精神分析者木田恵子氏『添う心』より)。
「そやな」と言われると、自分を受け入れてもらったことで心が和らぎ、
優しい気持ちになれる=夫婦円満のキーワードになると考えることができる。
氏は「大阪の言葉が好き。人の気持ちをけばだてないで、
お互いに思っていることを融通よくかわしあう。
相手を怒らさんように、こっちの言うことを聞いてもらう。
それを笑いながら交歓するっていう文化風土なのね。」(朝日新聞)と言う。
まさしくそれが「そやな」の一言に凝縮されている。
田辺聖子氏の結婚生活
36歳で早世した同い年の文学仲間、川野彰子氏の追悼文を書き、
それが縁で川野氏の夫・純夫氏と結婚。
結婚当時、川野家は夫はじめ、友の忘れ形見二男二女、舅、姑、夫の弟、妹の9人家族で、
自身も入れると10人という大家族。
友人たちはいつまで続くか賭けをしたという(朝日新聞)。
半年、1年、長くて3年という意見。
しかし予想を裏切り、夫が亡くなるまでの36年間添い遂げた。
当初仕事と家庭の両立を懸念して、別居結婚をして世の話題になった時以下のように考えたそう。
「ボーボワールみたいな理想に燃えたものではありません。
もっと実質本位なのよ。みんなが楽しくなるようにとソロバンをはじいて………
大阪的なんでしょうね」
(66年12月、毎日新聞インタビューより)
その後同居。
家庭を切り盛りするだけでも大仕事の中、執筆時間を作り出すのは並大抵の努力ではできなかったはず。
自分だけの、我が家だけの形を求め、様々な試行錯誤・更新を経て、
新しい時代の新しい女性の形・家庭の形を自然な姿で作り上げたのだろう。
これらの経験や努力に氏の豊かな知識と叡智が付加されて、
人々の心を捉える言葉が編み出された。
軽快なあるいは優しい言葉の中に、実生活の経験からくる深みが滲み出ている。
「結婚の成功というのは、互いに相手から何かを発見し続けていくことができるかどうかだ。」
『まいにち薔薇いろ』
夫・純夫氏がどんなに立派な医師で、人柄が優れていても、
そのよさを見いだす人がいなければ、夫のよさはそこで止まってしまう。
互いに発見し続けることで幸せな結婚生活が続けられる。
精神分析者木田恵子氏は、
「悪いところを見つめているとどんどん拡大し、良いところを見つけ褒めると悪いところが消えてなくなります」と言う。
夫婦円満に導く言葉の数々
田辺聖子氏は他にも人生や結婚に関する多くの金言を残してくれた。
「一緒に居て楽しいという人間関係だけが、人生の生き甲斐やで」『まいにち薔薇いろ』
「結婚とは笑いと感動を共にすることです」(毎日新聞インタビューより)
よき伴侶を得、二人はよく飲みよく話した。忙しい中にも幸せなひと時を楽しんだそう。
「幸福な人間は親切である」『どんぐりのリボン』より
幸せな心で満たされている人は他人にも優しくできる。
満たされていない人は、先ず自分が満たされようとして、他人には親切にできない。
「家庭円満のコツは見て見ぬふり」とも言う。
気づいていても気づかぬふりで、細かいことは見過ごして、あえて追求しないのが家庭円満のコツ。
「ま、人生はだましだまし保っていくもの。ゴチャゴチャしているうちに持ち時間、終わるわよ」
『まいにち薔薇いろ』
酸いも甘いも噛み分けた人の究極の言葉。
「“生きる”ということは、人と人が笑い合い、助け合い~要するに人生は愛するに足るものだと発見する、それに尽きる」
『上機嫌な言葉、366日』
負の部分を見るのではなく、プラス思考で人生を愛した氏の心からの言葉。
相手を理解しようとする心を持つことが第一歩
「そやな」と言って、
相手の気持ちを逆立てないで、相手を理解し許容し、
相手のよいところを発見し、互いに話し合う。
互いを褒め合い、笑い合う。
笑う門には福来る、家庭円満のコツはここにあり!
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