40代から始める「不動産投資」の魅力とは

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ささみ

経営者兼フリーライター兼コンサルタント。大手企業のマーケティング部門で管理職として20年勤務後、産業心理学や行動経済学を武器にフリーで活動。スマトラ津波のドキュメント本やシニア再就職本など出版も多数。現在は不動産投資家としても活動中。


「老後資金が2,000万円不足する!?」

金融庁が2019年6月にこの報告を発表して以降、「老後2,000万問題」という

ワードは日本列島を駆け巡りました。

 

「とりあえず何か資産形成をやらないと」と、株式投資、FX、

積み立て投資信託などの投資にチャレンジしている人も多いのでは

ないでしょうか。

 

しかし「不動産投資」を始めたという人はあまり聞きません。

「巨額な資金が必要そう」「トラブルなど面倒くさそう」

「老獪な仲介に騙されそう」など、気軽に始められるイメージがないのが

原因かもしれません。

 

私自身、40代になってから不動産投資を始めました。

お恥ずかしながら、投資を始める前は「不動産投資はトランプ大統領などの

一部の大富豪がやるものだ」と思い込んでいました。

 

しかし始めてからよく分かったのですが、40代の人にこそ不動産投資は

おススメの投資手法です。

今後の人生に備えて中長期に行う投資として、不動産投資は最適と言えます。

 

今回は、あまり知られていない不動産投資の世界を紹介します。

 

不動産投資の特徴

ほったらかしで儲かる

投資というからには儲けが必要です。

不動産投資の儲けの特徴を端的に言うと「ほったらかし投資」です。

 

不動産投資の最もメジャーな儲けの構造としては

「買った物件を賃貸に出し、賃料収入を得る」という方法です。

 

毎月50万の賃料収入があり、毎月45万の費用(融資返済や管理費)がある場合、

手残りは5万です。1年間で60万になります。

あなたがたとえ、1年間居眠りをしていても、60万が「勝手に」自分の手元に

残るのです。

 

「不労所得」という言葉を聞いたことがあると思います。

不動産投資は、一度購入さえしてしまえば、驚くほどやることがありません。

株式投資のように、相場やチャートをこまめにチェックする必要もありません。

 

1年間、海外を放浪していようが、あるいはせっせと会社員として働こうが、

関係なく60万が手に入ります。

不動産投資は、まさに不労所得の極みなのです。

 

不動産の座布団が厚くなればなるほど、自由に使える時間が増えるイメージを

持つと良いでしょう。

老後に向けて、場所やお金に縛られずに自由な時間を持ちたいという人には最適です。

 

海老で鯛を釣る

不動産物件というのは、数万円では購入できません。

都心部であればワンルームでも数百万単位、一棟アパートとなると数億円はします。

これらの高額物件を、投資家は自分の貯金を切り崩して買っているのでしょうか?

 

多くの場合、答えはNOです。

投資家は銀行から融資を受けて、物件を買っているのです。

自分の資金を控えて、融資を活用して大きな物件を買うことを、

レバレッジと言います。要はテコの原理です。

 

銀行は「FXをやるために金を貸して欲しい」といっても、

決して貸してはくれません。

しかし不動産という「現物」がある場合は、「不動産賃貸業」という事業と

見なして、お金を貸してくれるのです。

さらには、銀行も社会人2年目の人にお金を貸すこともあまりないでしょう。

ある程度社会的信用がある年齢の40代だからこそ、有利な条件で

融資が受けることができるのです。

 

うまく融資を使えば、自分の手元資金を使わず、あるいは自分の手元資金だけでは

購入できない高額の物件が手に入るのです。

この「海老で鯛を釣る方式」で投資ができるのは、不動産ならではと言えます。

 

不動産投資の始め方

不動産投資の始め方は非常に簡単です。

まずは物件をインターネットで検索したり、街角の不動産屋に貼ってある

ビラをチェックしてください。

これだけで、あなたは「不動産投資家」と名乗ることもできます。

あとは、良い物件と巡り合うだけです。取引用の口座開設も必要ありません。

 

そうは言っても、不動産投資家になるためには、2つのことが必要になります。

それは「お金」と「知識」です。

他にももちろん必要な要素はありますが、不動産投資を始める際に不可欠、

かつよく質問されるこの2つについて解説します。

 

必要なお金は?

不動産投資を始める資金は、一体いくら必要なのでしょうか。

極端な話、数十万あれば不動産投資はできます。

物件購入に不足する額を、前述した銀行からの融資で賄えるからです。

 

したがって「銀行からいくら融資を受けられるか」は、事前に把握しておきたい

ポイントとなります。

銀行は物件そのものの価値評価と合わせて、貸す人の「属性」というものを

重視します。

属性の中身は、「勤務先企業」「転職回数」「家族構成」「年収・資産額」など、

金融機関によって異なります。

 

練習も兼ねて、適当な物件情報をもとに、銀行に面談を申し出るとよいでしょう。

自分がどの程度、銀行からの融資が期待できるかの水準が理解できるはずです。

 

これで、「自分が買えそうな物件価格」が見えてきます。

初心者の場合、自分が不動産に使える金額を決めてから物件探しをすれば、

リスクは減らせるでしょう。

 

初心者が物件ありきで「この物件を買うために、どうやって資金繰りすればいいか」

という考え方をすると、どこかで無理が生じます。

不動産は現物なので、通常の買い物と同じです。

「あの車が欲しい!」「あの洋服が欲しい!」という「欲しいスイッチ」が

入ってしまうと、自分に都合がよいシミュレーションをしてしまいがちです。

初心者の方は、この「買える物件価格」をもとに、物件探しをスタートしてみてください。

 

必要な知識は?

過去に自分自身の賃貸物件を探したり、マイホームを探した人は多いかと思います。

その知識や経験だけで、不動産投資を始めてよいのでしょうか。

結論としては、その知識だけで投資を始めるのは危険です。

 

不動産に興味を持つきっかけは過去の経験で良いかもしれません。

しかし自分の住む物件と、他人に貸す(そして儲ける)物件では、

見るべき観点は異なるのです。

 

不動産には定価がありません。物件によって売主も様々異なります。

その他、融資条件や購入後の空室率や必要な修繕費など、実に多くの変数があります。

いくら資金が数億あったとしても、知識がないと、口の上手い仲介業者にハズレ物件を

買わされてしまいます。

知識さえあれば、少ない自己資金であっても、値引き交渉ができる物件を探し、

その物件に有利な条件で融資をする金融機関を探し、空室を埋めるための工夫もできます。

 

不動産投資のメリットは、「リスクを予測し、自分でコントロールできる」

ことだと思っています。

例えば「台風で持ち物件が浸水したら」というリスクを事前に洗い出すことが

できれば、水災に手厚い損害保険を探して加入すればいいだけです。

ただし、このような対応は知識がなければできません。

 

不動産に必要なものは資金より、知識と言っても過言ではありません。

ぜひ物件の情報収取などと合わせて、少なくとも数冊はノウハウ本を

読むようにしてください。

遠くの物件を見に行く時の電車の時間などを使って、効率的に読書をするのもおススメです。

 

不動産投資の楽しみ方

不動産投資が楽しめる方は「活動そのもの」が楽しめるタイプと、

「事業そのもの」が楽しめるタイプに分かれます。

「活動そのもの」が楽しめるタイプは、そのものズバリ「家・建物」や「街」が

好きな人です。

 

株などと違って、不動産は現物を購入します。

街の雰囲気や建物の細かい管理状態などをチェックするために、

なるべく現地に行くことをお勧めします。

街や物件を想像しながら現地に向かいご対面をするワクワク感は、

現物購入である不動産投資の基本の楽しさと言えます。

 

その他、DIYが好きな人は、あえてボロボロの木造物件を安く購入して、

自分でピカピカに磨きなおして賃貸に出す、売却するなどの楽しみ方もあります。

 

もう一つの「事業そのもの」が楽しめるタイプは、シミュレーション好き・

経営や財務好きな人です。

 

不動産投資はひとつの事業であり、オーナーである自分はまさに「経営者」です。

自分でBSなどの財務諸表を作ってみて、「自己資本比率をこれくらいまで高めたい」

「経費をこれくらいに押さえたい」などとシミュレーションをし、

アクションプランを立てる醍醐味があります。

戦略を立てるのが好きな人にとっては、この不動産投資の特徴は魅力と言えるでしょう。

 

不動産投資の落とし穴

前述したように、不動産投資の落とし穴(=リスク)は、

事前に予想ができることばかりです。

したがって、自分で知識をつけて対策を行うことができれば、

基本的には落とし穴は存在しません。

 

不動産投資の最大のリスクは、非常にシンプルで「融資が返済できない」ことです。

融資を返済できない要因は「マズい物件を購入した」からです。

ではなぜマズい物件を購入したかというと、突き詰めると自分の知識不足に

起因するのです。

 

不動産仲介は、マズい物件から手放したがります。

知識のない素人は仲介にとっては絶交のカモになります。

高額な買い物だけに、購入に値する物件かどうかについては、

全知識を注いで確認する必要があるのです。

 

建築法、税金、など学ぶことは多岐に渡るため大変に思われるかもしれません。

その場合、物件購入の際に最低限チェックして欲しいポイントがあります。

それは「自分のコントロールできないリスクを減らす」ことです。

具体的には「立地」「日当たり」「土地の形」などです。

 

たとえば「日当たりが絶望的に悪くて、賃貸申込みが入らない」

物件を購入してしまうと、オーナーである自分がどれだけ努力しても

改善は不可能ですよね。

 

学ぶことは多いですが、焦らずに「落とし穴を避けるために、最低限覚えること」

から知識を蓄えましょう。

 

数十年後に備えて

不動産投資を始めて、私が真っ先に思ったことは「もっと早く始めていれば良かった」

です。

不労所得である賃料収入は「物件を所持している期間」に比例して入ってきます。

月に5万で年間60万の収入だとすると、10年前にその物件を購入していれば、

今はすでに600万溜まっていることになります。

 

考え方を変えれば、「老後に向けて」と考えるなら、40代くらいから

不動産投資を始めるのはちょうどよいタイミングかもしれません。

 

不動産投資は物件の目利きだけできれば、一生続けられる投資方法です。

現物である物件は「見つけた者勝ち」という世界です。

むしろ、リタイア後に物件の情報収集する時間のゆとりがある人の方が、

忙しい若手サラリーマンよりははるかに有利とも言えます。

 

気になる物件があれば、すぐに現地に足を運べるのも有利なポイントです。

ついでに、程良いウォーキングの習慣がついて、足腰も鍛えられるかもしれませんよ。

 

最後に個人的な話になりますが、コロナの状況で雇用が不安定になるなかで、

不動産収入はとても助かりました。

不確実な社会情勢の中、会社員以外の収入の柱を作る意味は大きいと思います。

 

翻って、自粛が求められるこんなご時世だからこそ、「住まい」を提供する事業は

尊さとともに、非常に責任も感じます。

「快適に暮らして欲しいな」や「安らぎの場所になればいいな」と、

人肌や実感を伴いながらできる投資方法としても、不動産投資はお勧めできます。

 

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