人間関係の円滑化に役立つ!アサーティブコミュニケーションとは?

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Masafumi F

さまざまな業界の上場企業で法律文書や開示資料、広報誌等の作成に携わった経験と、AWAI(アメリカのライターを養成する法人)にて修得したライティングスキルをもってコピーライターとして活動しています。


相手の意思や気持ちに反する行為によって

不快な感情を抱かせてしまう「ハラスメント」。

「パワーハラスメント(パワハラ)」や

「セクシャルハラスメント(セクハラ)」などのハラスメントは

職場で起こるものと思われがちですが、そんなことはありません。

 

教師が生徒におこなう「アカデミックハラスメント(アカハラ)」、

医師と患者の間で起きる「ドクターハラスメント(ドクハラ)」、

お客様が店員に対しておこなう「カスタマーハラスメント(カスハラ)」など、

人と人とのコミュニケーションがある場所で発生しています。

 

ハラスメントを起こさないためには、適切なコミュニケーションの

取り方が大切。

そこで、ハラスメントにならないコミュニケーション・スキル

「アサーティブコミュニケーション」をご紹介します。

 

ハラスメントはどうして起きるのか?

そもそも、ハラスメントはどうして起きるのでしょうか?

その発生原因として5つの要素が指摘されています。

  1. 個人の意識の“差”
  2. 集団の風土の問題
  3. 倫理観の欠如
  4. マネジメント能力(スキル不足)
  5. 集団内部のコミュニケーションの低下

 

個人の意識の“差”

ハラスメントを招く原因には、

  1. 男女の感覚の差
  2. 上に立つ者が弱い立場の者を自分以下と見る
  3. 男らしさ女らしさの強要(ジェンダーハラスメント)

のように、「職場の仲間=対等な関係」ということへの勘違いや

偏見があります。

 

また、相手に対する勝手な思い込みがハラスメントとなって

取り返しのつかないトラブルにつながることもあります。

 

事例①

自分はメンバーと信頼関係ができていると思い込み、

必要以上に叱咤激励したところ、部下が耐えられず自殺した…。

 

事例②

自分は部下の女性も自分を好いていると思い込み、

身体を触ったところ、女性が耐えられずうつ病に…。

 

集団の風土の問題

所属している集団の風土がハラスメントの原因となることも多々あります。

  1. 男性の多い集団で女性は補助的な仕事だけさせる
  2. 女性の多い集団で男性には期待しない
  3. 派遣社員・パート等の非正規雇用者を対等に見ない

このような風土では差別的な言動、行動がおきやすいのです。

 

また、成果主義が徹底され、数値でしか人を評価しないような会社では、

会社からの強いプレッシャーを受けた管理職が、

部下に暴言や人格否定をしてしまうこともあります。

 

倫理観の欠如

現代社会は、他人への無関心が進み、他人への思いやりも

欠如していると言われます。

こうした倫理観の欠如が、自分本位な考え方を強くして

ハラスメントを誘発します。

 

事例①

自分の言うことをきかない部下や、生理的に合わないと感じた部下を無視する、

悪口を広めて職場にいられなくする。

 

事例②

自分の能力に自信が持てない場合に、自分の保身のために

優秀な部下の成長を阻害する(自信を無くさせる、仕事をさせない等)。

 

マネジメント能力(スキル不足)

リーダーのマネジメント能力不足による不当な評価、

無理な目標設定、あいまいな指示が、ハラスメントになっている

ケースも多くなっています。

 

事例①

リーダーが明確な指示を出せず、メンバーの企画提案や報告内容を

何度もやり直しをさせる。

メンバーが「どこが悪いのか?」尋ねても教えない(教えられない)。

 

事例②

上司があいまいな基準による評価しかできないため、

部下にフィードバックできず、部下のモチベーションを下げる。

 

集団内部のコミュニケーションの低下

所属している集団内部のコミュニケーション不足は、

誤解を招きやすく、ハラスメントを生みやすくします。

 

また、コミュニケーションが不十分な人間関係では、

とかく相手の出来ていないところ・足りないところに目を向けて

ネガディブな評価を下しがちです。

 

一方、集団内部のコミュニケーションが良好な環境では、

ハラスメントの予防につながるとともに、メンタル不調者が減少し、

集団社会の活性化につながっています。

 

ハラスメントの発生原因である“5つの要素”のうち、「個人の意識の“差”」、

「集団の風土の問題」、「倫理観の欠如」については、

美学・価値観の相違が一方的なコミュニケーションを生み出し、

これがハラスメントを引き起こします。

 

また、「マネジメント能力(スキル不足)」と

「集団内部のコミュニケーションの低下」については、

自分の能力不足やスキル不足が一方的なコミュニケーションとなり、

これがハラスメントにつながっています。

 

このように、ハラスメントを生み出す土壌として、

「コミュニケーションの取り方」が大きく影響していることがわかります。

 

トラブルを招く「コミュニケーション」

トラブルを招きやすいコミュニケーションとは、相手への配慮を欠く、

自己中心的で一方的な意思の伝え方です。

このようなコミュニケーションには、大きく3つあります。

  1. 攻撃的タイプ
  2. 受身的タイプ
  3. 作為的タイプ

 

攻撃的タイプ

「攻撃的タイプ」なコミュニケーションとは、

自分の意見・考えを主張することばかり重視して、

相手を尊重できないタイプです。

 

自分の能力に自信が持てない場合で、「相手に負けたくない」、

「ミスを指摘されたくない」という自分の保身を図りたい

心理状態のときに表れます。

 

自分の主張をまくし立てて相手に主張をさせないため、

相手の意見や考えを拒否することにつながり、

相手を傷つけてしまうことが多くなります。

 

受身的タイプ

「受身的タイプ」のコミュニケーションとは、対人関係の悪化をおそれ、

何でも相手の意見に同調して、自分の意見を主張しないタイプです。

 

一見すると、相手を尊重しているようですが、「自分は嫌われたくない」、

「自分が悪者になりたくない」という意識が隠れており、

本質的には自己中心的なのです。

 

自信の無い態度、曖昧な回答、遠回しな表現などを多用し、

相手をいら立たせてしまう結果になります。

 

作為的タイプ

「作為的タイプ」のコミュニケーションとは、言葉で直接主張しない代わりに、

態度や雰囲気で自分の感情を表したり、第三者を介したりして主張するタイプです。

 

自分が主張したいことがあっても、それを口に出さないくせに、

態度や雰囲気に表して相手に自分の主張を察してもらおうとします。

表面的には相手と対立することはありませんが、

内面的には相手を見下したり、馬鹿にしたりしていて、

良好なコミュニケーションが図れることはありません。

 

“性格”ではなく“伝え方”を変える

コミュニケーションが原因で人間関係に悩んでいる方の多くは、

その原因を“自分の性格”に求めてしまうことがあります。

「自信がもてないから…」

「自分は短期だから…」

「恥ずかしがり屋だから…」

「素直じゃないから…」

他人付き合いが上手で社交的な人をうらやましく思うことがあるかも知れません。

 

でも、「社交的であること」と

「自分が伝えたいことを相手に適切に伝えられること」は、

全く別の次元の問題として捉える必要があります。

 

コミュニケーションの上手か下手かは、性格によるものではなく、

スキルとして身に付けているかいないかという問題なのです。

そして、今注目されているコミュニケーション・スキルが

「アサーティブ」なコミュニケーションです。

 

これを身に付けることで、大切な想いや大事な意見を相手に伝えることができ、

ストレスを貯め込まずに良好な人間関係を築くことができるようになるのです。

 

次回は「アサーティブコミュニケーション」の具体的な実践方法について

紹介します。

 

<参考文献>
ハラスメントはなぜ起こるか?(ハラスメント対策サポートセンター)

はじめに。伝える、はトレーニングできます(アサーティブジャパン)

アサーティブとは?必須のスキル・アサーティブコミュニケーションで快適な人間関係を目指そう(STUDY HUCKER)


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