悪い習慣は元から断つ!今度こそ成功する「やめる」ためのテクニック

この記事をかいた人

ネモ・ロバーツ

写真家&ライター&日常系ミニマリスト。 広告制作・編集と撮影の仕事を経て渡英。ロンドンをベースにアーティスト活動を行う。 『レス・イズ・モア 夢見るミニマリストでいこう。』『ロンドンでしたい100のこと』(共著)を出版。 ロンドンを拠点に展覧会もやっています。


ネット・ゲーム・スマホがやめられない。

食べ過ぎ飲み過ぎの自分にうんざり。ダラダラ先延ばし癖を直したい…。

「いつか決着をつけなくては」と思っている悪い習慣に

今度こそサヨナラしてみませんか?

 

やめたいのにやめられないジレンマ

デメリットがあることを知っていても、

目先の誘惑に負けてしまうことはよくあるもの。

悪い習慣をなかなか断ち切れず、仕事や健康に影響が出たり

自分がイヤになる場合もあります。

 

「ネガティブ思考」や「先送り癖」なども、

自分の足を引っ張っていることが分かっているのに

なかなか改善できないものです。

やるべきことを先延ばしにすると、実際に片付けるより

さらに多くの時間とエネルギーを消耗してしまうそう。

 

自己嫌悪やストレスを感じながら暮らすより、

悪習とこの際スッパリさよならして先に進むことができれば、

時間とエネルギーをもっと楽しいことに使うことができるはずです。

ではどうすれば負のスパイラルを断ち切ることができるのでしょうか。

 

悪習慣の引き金は「マイルドな苦痛」

悪い習慣は一連の脳システムによって起こります。

その引き金のほとんどがストレスや退屈です。

例えば疲れた時や仕事や家庭のストレスを感じるたびに

甘いものやタバコ、お酒、スマホなどに手が伸びるのは、

ストレスや退屈・不安などの「マイルドな苦痛」を緩和したい

という欲求が原因です。

 

その鍵は神経伝達物質の一つ「ドーパミン」の作用にあります。

おやつを食べたりお酒を飲む行為によって、

体内でドーパミンが分泌され脳は快楽を感じ、

一時的にストレス状態から解放されることが分かっています。

 

ドーパミンはほかにも恋をしている時、

人に褒められたりやる気でいっぱいの時、

大金を得た時などにも多く分泌されます。

ただしこのような状況を得るには多少の苦労や時間を伴うもの。

 

一方で手軽な飲食やタバコ、ギャンブル、

ソーシャルメディアやネットショッピングなどは

その場でドーパミン分泌のスイッチをオンにしてくれる便利な行為です。

しかしドーパミンは「快楽への期待感」で一時的に人を興奮させるだけで、

真の満足や充足感を与えてくれないことも最近の研究で分かっています。

つまり「もっともっと」という気持ちだけが過剰に高まり、

依存状態を引き起こすケースが多いのです。

 

このような状態に陥ってしまうと

目先の欲求を満たすことだけを考えるようになり、

ますます負のループに入り込んでしまいます。

まずはこの悪循環を断ち切るところから始めてみましょう。

 

「5秒ルール」でバッドループを断つ

人間は本能的にいつも一定の状態を好みます。

これは様々なリスクにさらされる確率を減らし、

エネルギーを節約したいという動物的な本能が働くからといわれています。

 

このため何かアクションを起こそうと思っても、

私たちは「今度でいいか」「できるはずがない」

「タイミングが悪い」「恥ずかしい」など、

やらなくていいための言い訳を必死に考え出します。

 

元弁護士で米テレビ番組司会者、ベストセラー作家のメル・ロビンスによると、

人が「何かをやろう」と思いついてから「やっぱりやめておこう」

とブレーキをかけてしまうまでに、ほんの数秒しかかからないそう。

 

そんな彼女が悪習を断ち、新しい一歩を踏み出すために提唱しているのは

「5秒ルール」。

 

これはナイキのキャッチ・コピー「Just Do it」のように、

何かを思いついたら5秒以内にとにかく行動を起こしてしまうというアイデアです。

やる気が湧いてくるのを待たず、脳が非常ブレーキをかけてしまうより

先にアクションを起こし、既成事実を作ってしまうという

シンプルながらパワフルな方法です。

 

カウントダウンするから効く

おやつに伸びていた手を止めたり、火をつけたばかりのタバコをもみ消すのも

「あ、またやっている」と気がついた時点から5秒以内に行います。

仕事のアイデアなど5秒後に全てのことを行動に移せない場合でも、

「○○について調べる」「相手に質問する」など

その場でできる範囲で最初のアクションを起こすか、

思いついたアイデアを忘れないようメモをとるだけでも効果的です。

 

コツは数える時、ロケット打ち上げのように「5・4・3・2・1・発射!」

と必ずカウントダウンすること。

「1・2・3・4…」と数えてしまうと結局先送りになりがちなので、

ゼロまでカウントダウンしたら即行動に移すのがポイントになります。

 

このカウントダウンによって思考や行動、ワーキングメモリーを司る

脳の前頭前野部が活性化され、いつもの自動操縦モードから

抜け出すことができるのです。

 

朝ベッドから出られない、大切な電話をかけなくてはならないのだが億劫だ、

といった先延ばし癖にもこの方法は効果的です。

食べ過ぎ防止に使うなら腹八分目になったら即カウントダウン。

「5・4・3・2・1・ごちそうさま」と箸を置くことで区切りがつきます。

 

「いつかやろう」という、いつものパターンの逆をいく5秒ルール。

使えば使うほどその効果を実感できるはずです。

 

ゲーミフィケーションと自動化でタックル

なにごとも苦行にせず楽しんでしまうのも成功の秘訣です。

ゲームにはまる仕組みを利用して効率を上げる「ゲーミフィケーション」を活用して

習慣チェンジに取り組んでみてはいかがでしょうか。

  • 「5秒カウントダウンしたら必ずアクション」にチャレンジし、その結果を記録する。
  • 習慣化アプリを使ってご褒美バッジを集める。
  • 友人やパートナーと組んで、自分で決めた約束を破るごとに相手に1000円払う。
  • 目標達成の段階をわかりやすく設定し、1ステップをクリアするごとにお祝いする。
  • スマホを触りたくなったら「楽器を練習する」「スクワット10回」「出先なら人間観察をする」など、悪い習慣をより望ましい行動に入れ替える。

 

モチベーションや努力に頼るより「どうやったら楽しめるかな?」

と視点を変えることで気が楽になり、

ガマン大会を続けるよりずっとよい結果が出せるはずです。

 

ほかにも無駄遣いやジャンクな食事内容を改めたいなら、

給与天引きなどを利用して先取り貯蓄をしたり、

ヘルシーなミールキット宅配サービスを契約して

自動化してしまうのもおすすめの方法です。

 

本当のセルフケアで自分をいたわる

世界的スターやスポーツ選手を顧客に抱える心理療法士マリサ・ピアーは、

人間は有名・無名に関わらず「自分は不完全だ」

「自分は周りに受け入れられないかも」という不安を

心の奥底に抱えていると指摘しています。

この気持ちを埋めるために無意識に悪習慣に走る人が多く、

怒りっぽい人、物事をすぐ諦める人にもこの傾向が見られるのだそうです。

 

思い通りにならない現状を変えるには「ネガティブな自己イメージの書き換え」、

つまり自分をダメ人間と否定するのではなく、

まず受け入れることが出発点なのだといいます。

 

決して自分を責めず

「色々あるけどよく頑張って生きている。自分はこのままで充分なんだ」

と自分の存在を認めるだけで心の葛藤が大きく減少します。

ストレスと悪習慣には大きな相関があるので、

何度もこの作業をするだけで劇的な効果が生まれるケースもあるのだそう。

 

また働き過ぎや寝不足によってストレスホルモンと呼ばれる

コルチゾールの分泌が過剰になりイライラが募り、

悪習慣に走りやすくなることもあります。

ほかにも寝不足が続くと食欲増進ホルモンであるグレリンが増加し

暴飲暴食を招いたり、成長ホルモンの分泌が鈍ることで

老化が進むといわれています。

 

「がんばる自分にご褒美」も決して悪くはないのですが、

やり方を誤ると負のスパイラルへまっしぐら。

本当の意味で自分をいたわり心と体のニーズを満たすことが、

悪習を根元から絶つ唯一の方法なのかもしれません。

 

<参考文献>
5秒ルール―直感的に行動するためのシンプルな法則」メル・ロビンス著

ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣」ジェームズ・クリアー著

「I Am Enough: Mark Your Mirror And Change Your Life」マリサ・ピアー著(邦訳版なし)


読み込み中...

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です